レパートリー作品
「山椒大夫」
古典的な名作
- 原作 : 森鴎外
- 構成台本 : 椿 真二
- 演出 : 椿 真二
- 時間 : 50分
- 出演者 : 男女4名
時は平安時代。越後で、ある由緒正しい家柄の母子が、父のもとへと旅の途中、人買いにさらわれ離散してしまう悲しい話である。
子供の名は、安寿と厨子王。
姉の安寿は、自分の死とひきかえに、弟の厨子王を山椒大夫のもとから逃がす。その後、厨子王は一国の長官にまで出世し、人身売買を法律で禁止し、母を捜して佐渡にわたる。そこで、盲目の母と奇跡的な再会を果たすのだった。
盲目の母親が、「安寿恋いしや、厨子王恋いしや」と唄う場面はあまりにも有名で、切なく涙を誘います。
しかし、姉安寿の勇気が、この作品の中軸をなすものだといえましょう。か弱い女性の死を賭した戦いが、その後の弟と母の運命をも転換しゆく原動力となったのです。
安寿はあまりにも美しい心の持ち主でした。